「曲がり角を俺に」
♯12 『日々WALK』について
こんなにパーソナルなことをストレートに歌った曲は、
鷲崎さんの中でも初めてではないかと思います。
ここまで、『Singer Song Liar』として歌ってきた鷲崎さんですが、
4枚目のラストにして、ついに
Singer Song 「Writer」になることに挑んだのだろうか、など
勝手に色々深読みしてしまいますね。
アルバム制作の後半にリストに入ってきた曲です。
おそらく曲としても一番最近の部類でしょう。
ある意味2015年の鷲崎健音楽が一番如実に出ている曲、とも。
一度バンドアレンジも挑戦してみましたが、
やはり、ラストトラックにふさわしく、
アコギと歌のみの仕上がりとなってます。
エンジニア北吉君の提案もあり、
「スタジオや、ステージでなく部屋で弾き語ってるような質感」
を目指そうということで、
一度録音したものをレコーディング用でない普通の部屋で
リアンプするなど、細かに質感を試していきました。
この曲、特筆すべきは、やはり歌のテイクでしょう!
簡単に一言でいってしまえば、
「ド頭からド最後まで完全に1つのテイク」であるということ。
部分でテイクのチョイスもしてないです。
しかもピッチやタイミングの修正もノータッチ。
つまり「鷲崎さんが一回で歌い上げたテイクそのまま」なのです。
ある意味ライブ。
ビールをひっかけ始めた直後、このテイクが出たときに、
なにか神がかる、といいますか。
ちょっと大げさに言えば神聖なものを感じてしまいまして。
そのまま、収録することを決意しました。
曲にとっても、正解だったと思います。
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さてさて、発売日の前後含めて約2ヶ月
「What a Pastaful World」の厨房と題して
ここまで細々と色々書かせていただきましたが
今回で最後の更新です!
鷲崎さんも
「俺も楽しみにしてるから沢山かいてね」とのことだったので
がんばって沢山書きました。
本来ならば
CDは聴いてその場でどう楽しんでいただくか、が大事であって
「この音にはこんな意味があって〜」とか
「ここではこのスタッフがこんなにがんばって〜」などを
逐一文章で説明するというのは
ある意味 とても無粋なことでもあるとも思っています。
…が!
こんなに分かりやすく
「ファンの方々に支えられてのリリース」となった一枚。
僕から何か 少しでも 聴いて下さった方たちに報いれないか、
と思ったこと。
そしてなによりも
鷲崎健アルバム制作は他のお仕事とちょっと違って、
「ほら!こんなにすごいんだぜ」って
自慢したくなっちゃうような、そんな制作なのです。
なにとぞご容赦を。
このアルバムを聴いて下さった方々の人生が
どうぞ、スパゲティものになりますように。
2015/11/23 杉浦"ラフィン"誠一郎